第36回 卒業証書授与式を終えて
2020年3月17日 14時04分本日、第36回卒業証書授与式が行われました。
新型コロナウイルス関連により、式が大幅に縮小されました。しかし、子どもの節目に立ち会えたこと、子どもの笑顔に再び出会えたことに心から感謝しています。ここに答辞「旅立ちのことば」を紹介します。参加することができなかった在校生に向けた「繋ぐ」思いが伝わってきます。この文章中にはありませんが、突然の休校に対する悔しさや不安、友や先生との再会を信じた気持ち、日常のありがたさ等、思いを全力でぶつけてくれました。
「旅立ちのことば」
日本をはじめ世界の国々が見えない恐怖と戦っている今日。卒業式はできないだろうと諦めていました。しかし、私たちのためにこのような心のこもった式を挙行していただき、本当にありがとうございます。
三年前の春、緊張しながら上がったまてばしいの坂を今日、私は身の引き締まる思いで上がりました。「児童」から「生徒」に変わり、期待と不安でいっぱいだった一年生。壁にぶつかりながらも自分を見つめ、持ち前のエネルギーで乗り越えた二年生。しかし、私にとっての一番は、最高学年として過ごしたこの一年間です。
九月には、最後の体育大会がありました。私のクラスは大玉運び、大なわとび、総合での優勝を目指し、練習を重ねました。途中、勝ちたいという思いが強くなるあまり、何度も衝突が起きました。その分、優勝したときの喜びはひとしおでした。うれしくて涙を流したこと、声がかれるまで叫んだこと、学級、学年関係なく応援し合えたこと。その全てが私は楽しくて仕方ありませんでした。私一人では決して見ることのできなかった景色。仲間の存在の大きさに気付かされました。一心同体を合言葉に、力の限りを尽くしたあの一日は一生忘れません。桑原中学校で過ごしたこの三年間は、これからも私たちを支えてくれると思います。
先生方。私たちは先生方にかなり御迷惑をおかけけしたと思います。いつも寄り添い、御指導してくださったことを心から感謝しています。私たちは先生方にとって自慢の生徒になれたでしょうか。先生方に教えていただいたことを胸に、これからも私たちは成長し続けます。
そしてここにはいませんが、在校生のみなさん。文化祭のときの生徒会によるアンケートでは、「三年生は少し怖い」という声がありましたが、今はどうでしょうか。みなさんと部活動や行事を通して過ごした時間は、本当に楽しかったです。みなさんから「先輩」と呼ばれるのは、少し照れくさく、しかし同時に先輩としての自覚を芽生えさせてくれました。これから桑原中学校をよろしくお願いします。
そして、いつもそばで応援してくれた家族。感謝の言葉をなかなか伝えられず、反抗してばかりでごめんなさい。でも、それは家族を信頼し、甘えていたからです。不器用な私なりの愛情表現です。うれしいことがあったとき、家族が一緒になって喜んでくれたことが何よりも幸せでした。支えてくれて、ありがとう。
最後に、三年生のみなさんへ。毎日当たり前のように「おはよう」と「また明日」を繰り返してきたけれど、それも今日が最後ですね。どうでもいいことで笑い、ふざけて、たまに度が過ぎて叱られて、そんな何気ない日々が宝物だったのだと、今更ながら気付きました。みんなと別れるのがこんなに辛く寂しくなるとは思わなかったよ。今、伝えたいことは一言だけです。ありがとう。私は三年生のみんなが大好きです。
私たち三年生は、今日で桑原中学校を卒業します。今回突然学校に来られなくなり、みんなに会えなくなりました。当たり前の日常が奪われるという大きな壁にこの先もぶつかることがあるかもしれません。しかし、ここで学んだ「愛し・鍛え・敬う」の精神を忘れず、それぞれの道を力強く進んでいきます。
最後となりましたが、この三年間でお世話になった多くの方々に感謝を示すとともに、桑原中学校の益々の発展を心からお祈りし、旅立ちのことばとさせていただきます。